フォレンジック・エンジニア レポート③
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先日「第20回デジタル・フォレンジック・コミュニティ2023」に参加してきました。
このイベントは、デジタル・フォレンジック研究会(IDF)という2004年に発足された日本ににおけるデジタル・フォレンジックの普及啓発や、ガイドラインの策定を担う産学連携の団体が毎年開催しているイベントです。
今回はAIを活用したデジタル・フォレンジックの進化に関する最新の研究や、デジタル・フォレンジックにおけるAIの課題や限界について、専門家による講演やディスカッションを通じて議論が行われました。
またデジタル犯罪や不正行為に対応する現場で活躍する法執行機関、企業、学術研究者、専門家など、幅広い分野の関係者が参加されていました。
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最近話題の生成AIについては、生成AIを用いてフェイクニュースを作成し、インターネットやSNSで誤情報・偽情報が拡散されるというケースについても講演がありました。
サービスを提供するプラットフォーム事業者によるモニタリングなどの取り組みも重要ですが、利用する我々としてもICTリテラシーを向上させ、新たなデジタル社会に適応していくことが大切だと感じました。
また講演以外にも、フォレンジックサービスを提供する企業や、フォレンジックツールやソフトウェア開発企業などが出展している個別の企業ブースもあり、各社の最新のサービスやツールについても触れることができ、個人的にも新しい技術についての発見がいくつもありました。
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今回のカンファレンスでも以前から知っている方々もたくさん参加や企業ブースの出展をしており、旧交を温めることができました。
また新たに繋がることのできた方々もたくさんいたので、今後のビジネスにおいてご一緒する機会を作ることができればと考えております。
今後もフォレンジックに関する研修やセミナーを受講した際にはコラムで取り上げていきたいと思います。
TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング
首席フォレンジック・エンジニア
デジタルフォレンジックとeDiscoveryサービスを提供する日系ベンダーにて約12年間勤務し、第三者調査委員会対応、コンプライアンス事案における社内調査対応、米国当局調査におけるeDiscovery対応など、多くの日本企業を支援してきた。その後、国内弁護士事務所にてフォレンジックチーム立上げに携わり、第三者調査委員会や内部通報事案においてフォレンジック調査を担当した。常に高いプレッシャーのかかるフォレンジック調査の現場においても、持ち前の冷静さとポーカーフェイスを崩すことなく淡々と仕事を進め、クライアントの要求に120%の対応をすることを信条とする。