フォレンジック・エンジニア レポート②
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先日、日本公認不正検査士協会が主催する「第14回ACFE JAPAN カンファレンス」に参加してきました。
過去2年はコロナの影響もありオンラインでの開催でしたが、今回はオンラインと会場開催のハイブリッド形式になりました。
私が公認不正検査士になってからはオンライン開催のみでしたので、私自身はじめての会場参加でした。
主催者の方によると過去の会場開催のときよりも大きな会場になったとのコメントもあり、近年の公認不正検査士数の増加と関心の高まりというものを感じられました。
※CFE(Certified Fraud Examiner, 公認不正検査士)については別のコラムでも紹介したいと思います。
今回のカンファレンスでは、「多様化する不正-変化するガバナンスへの展望-」をテーマとし、多様化していく新たな「不正」に対する対策や、フォレンジック調査も含めた課題解決の手法などについて最新の事例を交えた専門家方々の知見を学ぶことができました。
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例えばデジタル・フォレンジックが活用されることも多い調査委員会に関する講演では、昨今の上場企業の大規模な不祥事の調査において、外部の調査委員会によって作成される調査報告書に対する社会の期待は高いというコメントもありました。
調査委員会では委員による関係者へのヒアリングや資料精査が行われますが、今日のDX化にともない調査においてデジタル・フォレンジックを活用することが不可欠となっていますので、TMIP&Sフォレンジックの強みを活かすチャンスがあると感じました。
スペシャルゲストとして登壇した吉本興業ホールディングス(HD)前会長の大﨑洋氏のセッションでは、大﨑氏が社長時代に成し遂げた吉本興業の非上場化について当時の現場での生々しいやり取りや、ギリギリまで追い詰められた状況での決断など、当事者だからこそ語ることのできる内容が盛りだくさんでした。
時に笑いも交えながらのセッションは、さながら大﨑氏のトークショーのようでもありました。
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今後もフォレンジックに関する研修やセミナーを受講した際にはコラムで取り上げていきたいと思います。
TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング
首席フォレンジック・エンジニア
デジタルフォレンジックとeDiscoveryサービスを提供する日系ベンダーにて約12年間勤務し、第三者調査委員会対応、コンプライアンス事案における社内調査対応、米国当局調査におけるeDiscovery対応など、多くの日本企業を支援してきた。その後、国内弁護士事務所にてフォレンジックチーム立上げに携わり、第三者調査委員会や内部通報事案においてフォレンジック調査を担当した。常に高いプレッシャーのかかるフォレンジック調査の現場においても、持ち前の冷静さとポーカーフェイスを崩すことなく淡々と仕事を進め、クライアントの要求に120%の対応をすることを信条とする。