【コラム】社内不正対応に有効なヒアリングとフォレンジックの順序

フォレンジック調査ユースケース 番外編①

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これまでのコラムで「デジタル・フォレンジック」という言葉や作業の流れについて説明してきましたが、今回はユースケース番外編として、このような場面でもデジタル・フォレンジックを活用できるということをご紹介したいと思います。

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社内で不正を検知!ヒアリングが先?デジタル・フォレンジックが先?


企業において不正を検知した際に、その調査としてまず何からはじめるでしょうか。


様々な証拠を集めて確証を得る前に、いきなり疑いのある対象者に直接ヒアリングを実施するというケースもあるのではないでしょうか。


しかし、有用な情報がないまま対象者にヒアリングを実施しても、「何も知らない」「そんなことやっていない」と突っぱねられてしまうかもしれません。


また対象者はヒアリングされたことにより、自分が疑われていることを察知して証拠を消してしまう可能性も考えられます。


証拠を消されてしまえば、その後の調査にも大きな影響が生じてしまい、最悪のケースでは疑いを立証することができなくなる可能性もあります。





そんな時こそデジタル・フォレンジックの出番


デジタル・フォレンジックなら対象者に調査していることを察知されずに、社内のデータを使って対象者の疑いを探っていくこともできます。


例えば、メールがサーバに保存される仕様ならば、対象者のPCを操作することなく、サーバ側から対象者のメールデータを抽出して、怪しいメールをチェックすることもできます。


またPC監視ツールが導入されていて、PCの操作ログが収集されているならば、先にそのログ情報を調査することで、対象者がPC上でどのような作業をしていたのかという情報を集めることもできます。


これらの事前調査により、怪しいメールが見つかったり、業務時間外に不審な作業をしていたということが判明すれば、その情報をもとにヒアリングを実施することで対象者は言い逃れできなくなる可能性も高まります。





また対象者が自分のPCからメールを削除してしまった場合にも、適切にデータ保全を行って専用のフォレンジックソフトウェアを使用すれば削除データも復元できます。


怪しいメールを削除していたということがデジタル・フォレンジック調査によって見つかれば、なぜこのメールを削除したのかということを対象者に追求していくこともできるかもしれません。



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「調査=ヒアリング」と認識されている方も多いかと思いますが、このようにデジタル・フォレンジックを活用することでヒアリングをより有効活用することにもつながります。


「ヒアリングを実施したけれど何も情報を得られなかった。当社の場合はどのようにデジタル・フォレンジックを活用できるのか分からない」という場合にはお気軽にお問い合わせいただければと思います。