【2023年12月14日(木)15:15〜16:45】
サイバーリスクへの対応
~効果的な対応を行うための平時・有事の体制整備
サイバー犯罪の巧妙化、国家単位でのサイバー攻撃等、サイバーインシデントの発生は近年加速の一途を辿っており、今後はサイバーインシデントの予防のみならず、サイバーインシデントが発生した際に適時かつ適切に対応できる制度構築が企業経営者に強く求められてきております。また、企業経営者自身を守るためにもインシデント対応制度の構築重要性が高まってきています。
また、サイバー攻撃による被害は時間と共にその影響範囲が拡大し、経営にも甚大な影響を及ぼします。更に昨今のサイバーセキュリティやプライバシーに関連した法規制の厳格化によって、限られた時間内で対応の求められることも増えています。
本セミナーでは、サイバー攻撃を受けた際の有事の対応のみならず、サイバー攻撃を受けた際に適切に対応するための平時の体制整備について、法律的観点・技術的観点の双方から解説いたします。
また、最後のバートでは、近年加入が広がっているサイバー保険に焦点を当て、近年のサイバー保険マーケットトレンドに加え、効果的に保険を調達するために必要なセキュリティ対策について解説いたします。
1.サイバーセキュリティ対応の企業実務~平時・有事における組織的・法的対策の進め方【講師:寺門 峻佑 氏】
近年、日本の個人情報保護法やEUのGDPR等、様々な国のデータ保護法において、データ保護に対する厳格な要求事項が課されていることに加えて、企業実務におけるサイバーセキュリティの重要性が益々高まり、様々なガイドラインや、企業間における契約条項においても、サイバーセキュリティの確保が強く要請される傾向にあります。インシデント発生の際には、顧客等のステークホルダーへの説明責任を果たすための迅速かつ適切な対応が求められます。
こうした近年の状況を踏まえ、組織的・法的観点から、企業のサイバーセキュリティにおいて最低限押さえておくべきことについて、国内法令・海外法令の両方における対応を概説するとともに、不適切な対応をしてしまった実例とその原因や、初動が遅れることにより増加する企業のリスク・費用等についても解説します。
2.サイバーセキュリティの専門家に聞いてみる、初動対応の重要性について【講師:足立 照嘉 氏】
事業環境のグローバル化や複雑化に伴う可視性の低下とともに、サイバー犯罪の高度化や地政学リスクが及ぼすサイバー空間への影響などリスクも増大しています。そして、残念ながら完全に避けることのできないサイバー空間における脅威に対して、求められていることは迅速な対応で被害を最小化することです。
本セッションでは、来日中の英国のサイバーセキュリティ・サイエンティストから、サイバー攻撃に対する備えと初動対応の重要性について、皆さまからお寄せいただいたご質問に回答していく形で解説してまいります。
3.サイバー保険の最新トレンドと効率的に保険購買を行うために押さえておくべきセキュリティ項目【講師:関根 伸一郎 氏】
近年、サイバー攻撃の増加や保険事故の増加により、サイバー保険の需要が急速に増えていますが、リスクの高まりにより保険会社がアンダーライティング要件をより専門的かつ厳格にすると共に、保険料も引き上げる傾向にあります。
本パートにおいては、サイバー攻撃の資金的対策としてのサイバー保険に焦点を当て、最近のマーケットトレンド及び効果的にサイバー保険を調達するために必要となるセキュリティ対策について解説いたします。
スピーカー
寺門 峻佑 氏
TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング 取締役
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士
TMI総合法律事務所パートナー・TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング株式会社取締役。日本国・ニューヨーク州弁護士、情報処理安全確保支援士。内閣サイバーセキュリティセンタータスクフォース、経済産業省大臣官房臨時専門アドバイザー、陸上自衛隊通信学校非常勤講師、滋賀大学データサイエンス学部インダストリアルアドバイザーを歴任。国内外のデータ保護法対応・セキュリティインシデント対応、プラットフォーム開発・ライセンスビジネス等のIT・海外展開に関する法務、IT関連の国内外紛争・不正調査案件を主に取扱う。
足立 照嘉 氏
WTW Corporate Risk & Broking サイバーセキュリティアドバイザー
英国のサイバーセキュリティ・サイエンティストで、世界第8位の大学であるユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究者。サイバーセキュリティ企業の経営者としても20年以上の経験を持っている。
経営視点でのアドバイザリに定評があり、日本を代表する企業経営層からの信頼も厚い。また、英国政府のサイバーセキュリティ戦略立案にアドバイザリなども提供している。
これまでの著書全てがAmazonランキングで1位を獲得しているベストセラー作家でもある。
令和元年度サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞ノミネート
関根 伸一郎 氏
WTW Corporate Risk & Broking ジャパン ビジネス ディビジョン本部長
グローバル保険ブローカーでのキャリアは20年以上で、日系企業の日本本社を中心に、グローバルでのリスクマネジメント体制の構築、グローバル保険プログラムの導入や運営などを数々実践。2011年に他ブローカーより当社に入社し初代関西支店長として関西支店を開設、2016年にロンドン本社に異動し欧州日系企業営業部門の営業統括を担当。2021年7月より現職で、日本企業への営業部門の責任者として活動中。
日時
2023年12月14日(木) 15:15〜16:45
主催
ウィリスジャパン