弁護士4名が語る、法的視点から見たセキュリティ最新動向 – 2023年振り返りと2024年動向予測
頻発するランサムウェア被害や、社員・転職者による機密情報の持ち出し、SaaS型クラウドサービスにおけるセキュリティ事故など、近年、サイバーセキュリティと法務の領域にまたがる様々な事件が注目を集めています。こうしたリスクに関して、企業はどのような対策をとるべきでしょうか。
2024年2月1日に開催されたオンラインセミナー「法的視点から見るサイバーセキュリティの2023年重要トピックと、2024年の実務展望 – サイバーセキュリティ法務に詳しい弁護士4名が徹底議論 第2弾」では、サイバーセキュリティ法務に詳しい4人の弁護士が、2023年の注目トピックと2024年の実務に関わる展望について、パネルディスカッションを行いました。
個人情報保護法の報告実務に影響を与えた、「社労夢」事件
ディスカッションの前半は、「2023年に法的な面で実務に影響を与えた、重大セキュリティトピック/トレンド」と題して、主だったトピックについて振り返るとともに、そこから見えてきた課題について意見が交わされました。
最初のトピックとして取り上げられたのは、2023年6月に発生した、株式会社エムケイシステムの事件です。同社が提供する社労士向けクラウドサービス「社労夢」がランサムウェア攻撃を受けてサービス停止に陥り、また個人情報が流出したおそれが生じたことで、サービスを利用する社労士とその委託元(顧問先企業等)にも個人情報保護委員会への報告義務が生じるなど、多大な影響が発生しました……続きを読む
TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング株式会社 取締役
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士
サイバーセキュリティ、データ利活用、ドメイン保護、eコマース、AI、IoT、プラットフォーム・アプリ・システム開発、ソフトウェアライセンスの法務を専門とし、内閣サイバーセキュリティセンターのサイバーセキュリティ関連法令タスクフォース、経済産業省大臣官房臨時専門アドバイザー、陸上自衛隊通信学校非常勤講師、情報処理安全確保支援士会理事を歴任する。解決困難な案件や厳しい状況下でのタスクも常に笑顔を絶やさず、前向きにチームをリードし、案件の解決に粘り強く導くことを信条とする。